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Day.5 -2002.07.18 |
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今日から3日間の移動ツアーに参加する。オーストラリアでツアーに参加すると、たいてい宿泊先か一番近いホテルまでバスが迎えに来てくれる。これも長期間の旅をする人が多く、従って荷物も多いことに配慮したシステムなのだろう。
私達は、みどりちゃんたちの家から一番近いホテルで迎えを待つ事になった。友人との別れの時って、相変わらず苦手だ。ワーキングホリデーの場合、お互いに1年間という時間しか持っていない。多くの人と出会い、別れを繰り返す1年である。
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どんよりとした雲。これがメルボルンらしいのかな。 |
ワーキングホリデーで来豪する人は多く、日本人がたくさん住んでいる。しかし、親しくなる友人に出会う確率は低い。特に私達の場合、年齢も高いし多少ではあるが社会経験もある。ワーキングホリデーで来豪する人は、学生や、学校を卒業したばかりという人の比率が高く、同じ価値観で話をするというのが意外に難しい。どちらが良い悪いではなく、単に“違う”のだ。とはいってもそこはまだまだ未熟な人間。価値観が違う人とはどうしても仲良くなれない。
みどりちゃんとタケは、そんな中仲良くなった、とても貴重な友人なのだ。オーストラリアで必ず再会する事を約束して、私達はバスに乗り込んだ。
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ベルビーチ。サーファーズパラダイスよりずっといい波!でも。。。寒そう。 |
バスには既に、マレーシア人のカップルが乗っていた。軽くあいさつを交わし、空いている席に座った。我が家の場合、長距離移動時には必ず前の席を取る。菜津子が車酔いする為だ。猛も年上の妻をいたわり、体を小さくして前の席にチョコンと座ることにしている。
私達を乗せた後、バスはもう一ヵ所で数人を乗せ、総勢8人でのスタートとなった。ツアーガイドの名前はネイスン。ニット帽がトレードマークの、とてもキュートな男性だ。ツアー参加者が全て英語圏外出身ということに配慮してか、とてもわかりやすく、ゆっくりと話してくれる。彼のあいさつを聞きながら、私達はメルボルンを後にした。
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途中立ち寄った熱帯雨林にて |
最初に立ち寄ったのは“ベルビーチ”。波がとてもキレイでしかも大きい。聞くと、サーフィンのメッカだと言う。但し、上級者向け。私達が海岸を歩いている時に、何人かサーフィンをしている人を見たが、みんな上手。そして足の先までウェットスーツで覆い、頭にはヘルメットをかぶっていた。この海の危険さが痛いほどわかる光景だった。
ベルビーチを離れ、いよいよ“グレート・オーシャン・ロード”に入る。グレート・オーシャン・ロードの入り口でそれぞれ“証拠写真”をとり、出発。ここから約250km、景色が美しい海沿いの道が続く。
まず最初に、野生のコアラが生息するキャラバンパークへ向かった。ツアーガイドとしてコアラを何百匹も見ている猛にとっても、野生のコアラというのは魅力的だった。ユーカリの木の上で眠っているコアラを見つけるたび、みんなで歓声を上げた。それにしても、コアラって本当に良く眠る。
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木の上にちょこんと座り、手の届くユーカリを食べるか
寝ているか、というのが昼間のコアラの姿 |
グレート・オーシャン・ロード、、、確かにそれは“グレート”だった。猛にとっては次々と景色を変える海の表情が素晴らしく、菜津子にとっては、その曲がりくねった道が。。。走り始めて30分もしないうちに、菜津子は気分が悪くなっていた。景色に気をとられてうっかりしていたが、やはり車に酔ったのだ。すぐさま酔い止めを飲み、目を閉じる。。。菜津子にとってのグレート・オーシャン・ロードは、ここで一旦記録が途切れ、夕方まで待たなければならない。猛によると、その景色は今まで見たことがない壮大さだったと言う。
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雲間からさす光に照らされ、更に迫力を増す“12人の使徒”。
朝夕がお薦め。 |
夕方近く、私達はついに“12人の使徒”に到着した。ガイドブックで何度もみた景色だが、実際目にすると、迫力が違う。波がそれぞれの岩に当たってしぶきを上げ、岩からあがった多くのしぶきがぶつかって水煙のようになっている。雲と風が効果を与え、不思議な空間を醸し出していた。
ここで多くの日本人に出会うかと思ったが、ほとんど見かけなかった。見かけるアジア人は中国の人ばかり。海外旅行が全盛を迎えている中国では、一昔前の日本と同じく、観光先でのモラルがまだ浸透していない。“立ち入り禁止”と書かれている所に平気で足を踏み入れ、写真を撮っている姿を見て、とても嫌な気分になった。
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ロンドンブリッジ。もっと大きな穴になり、そしてきえていく...
見れて良かった。 |
ここでの時間は約1時間。他の歩道を歩いて違う角度から12人の使徒を見たり、海岸に下りたりして、思い思いの過ごし方をした後、この日最後の訪問地“ロンドンブリッジ”へ向かった。
ロンドンブリッジとは、波の浸食によってできた、アーチ型の岩である。残念ながら10年ほど前に片方が崩壊してしまったのだが、それでも自然の力と不思議さを十分教えてくれた。
午後7時ごろ、この日の宿泊先のB&Bに到着。私達とは逆に、アデレードを出発してメルボルンに向かうツアーの人が同宿だった。夕食を待つ間、ネイスンがビールを買いに連れて行ってくれることになった。
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グレートな夕焼け。長い一日である。 |
辺りは真っ暗。みんな車に乗り込み、ネイスンが車を少し後ろに進めた瞬間だった。バスが大きく揺れ、止まった。何が起きたのか、さっぱりわからない。急いでバスを降り、みんなの口から出た言葉“何てこと!”タイヤがぬかるみにスッポリはまっていた。幸い他のツアーには屈強な男性が何人もいたので、彼らの助けを借りて、無事脱出。
こんな時でも、ネイスンは慌てず騒がず、走らない。この人、ひょっとして大物?と思い始めた。
夕食後、ネイスンがバーに連れて行ってくれた。どうやらネイスンは、猛がお気に入りらしい。何かというと、“タキ”と呼ぶ。そして、バスを止め、みんなの方を振り返る前に、必ず猛に向かってニコリとする。
それはさておき、バーでビリヤード台を見つけた私達は、早速ゲームをした。しかし菜津子はまともにボールを突くことができないので、見学。ネイスンは、やっぱりとても楽しそう。彼らは途中、オージーの女の子とペア対決をした。猛はかなり楽しそうだったが、ネイスンは2人の時の方が楽しそうだった。ん?
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ゲームの後で。左端が猛。右端がツアーガイドのネイスン。 |
バーから戻った猛には、緊張の初体験が待っていた。この日は初めてドミトリーに宿泊なのだ。しかも何の因果か、猛以外は全て女性の6人部屋。それも8畳程の広さに2段ベッドを4つ詰め込んだ、密着度の高い部屋だ。そして、欧米の女性は、あまり肌を見せる事に抵抗がないようで、猛の前でも平気で着替えを始める。夕食前に部屋に入った時、猛はかなり緊張気味だった。廊下で寝ても構わないくらい、この部屋から出たがっていた。
しかし、疲れと心地よい酔いというのは、本当に素晴らしい。3時間あまりもビリヤードをし、その間ずっとお酒を飲み続けていた猛は、布団に入って5分もたたないうちに寝息を立てていた。
緊張のツアー初日は、何事もなく(?)平和に過ぎていった。
本日の出費 (2人分の合計) |
テレホンカード |
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10ドル |
昼食 |
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9.50ドル |
宿泊代 |
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40ドル |
夕食 |
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13ドル |
ビール |
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3.50ドル |
バー(ビリヤード含) |
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28ドル |
合計 |
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104ドル |
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