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Day.51-2002.09.2 |
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ライセンス取得コース2日目。期待と不安で一杯になった私達は、集合場所に向かった。今日はいよいよ“グリーン島”という島に渡り、プールでの講習及び海での講習を受けるのだ。
ケアンズ市内の港からグリーン島まで、フェリーで約1時間。私達はフェリーに乗り込み、出発を待った。
フェリーには、私達のクラス以外にも何人もの受講生がいた。彼らは“アドバンスド”と呼ばれる、オープンウォーターよりも1段階上のコースを受けている人たちだった。
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一路グリーン島を目指す! |
フェリーが岸壁を離れ、いよいよグリーン島に向かって進み始めた。空は快晴。風もなく、穏やかな海を進んでいけそうだ。この調子なら、朝飲んだ酔い止めの効果も十分発揮されるだろうと、菜津子はほっと息をついた。
出発してまもなく、インストラクターによって一つの書類が配られ、受講生は記入を求められた。書類は、注意事項および免責に関するもの。必ず目を通し理解したうえで署名しなければいけない、重要なものだ。私達は船内のテーブルに向かい、書類を読み始めた。
今までやってみた事が無かったけれど、船の中で文字を見たり書いたりしても、やっぱり酔うのだと、菜津子はまた新たな弱点を自ら見つけていた。
“気持ち悪い・・・・・”
酔い止めのおかげか、かろうじて到着まで堪えることのできた彼女に対し、参加者の中にはパニック状態に陥ってしまった女性もいた。残念ながらその女性はコース自体を中断するという、残念な結果になってしまった。船の中で書類にサインする必要がなければ防ぐ事のできた事態かも知れず、私達は余計に残念に思った。
グリーン島に到着後、私達はすぐさま着替えてプールに集合した。最初に行われたのは、10分間浮く事ができるかのテストだった。どんな体勢であっても、足がプールの底に着かなければ良いといわれ、私達は浮いたり立ち泳ぎをしたりと、あらゆる手を使って浮き続けた。
何とかこれをクリアし、私達はいよいよBCDという器具を装着してプールで練習を始める事になった。
BCD装着の前に行われた、ビッグイベント。それは“バディ(buddy)”を決めるということだった。バディとは、装備の確認を始め潜水中に常に共に行動し、相方に何かあった場合には迅速な対応を一番に行うパートナーであり、正に命を預けると言っても過言ではない存在なのだ。
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その名の通り、グリーン島は豊富な緑に覆われている。 |
参加者の中には保正家も含め、2人で参加している人も何人かいた。自然、その人たちはバディとなっていく。一人、または何人かで参加している人はバディを選んでいく。みんなそれぞれ大人だけあって、バディを組む作業は大きな混乱もなくスムーズに進んだかに見えた。
しかし実はここに、後日大きな問題を引き起こすきっかけが潜んでいたことを、私達の誰もが気付きもしなかった。
バディと協力しながら、BCDを装着した私達であったが、その重さに最初のうちはヨロヨロと崩れそうになった。早く水中に入りたい、そう熱望するくらいの重さだ。
一通り装着について、そして空気タンクの接続方法などを習ったあと、念願のプールに入り、サインなど様々な動作の講習を受け、この日のプール講習は終了した。
昼食後、いよいよ海に出発。練習ポイントに着くと、私達はバディと共に海中に飛び込んだ。
海水は冷たく、とても澄んでいた。この日の透明度は15メートル。耳に入るものといえば自分の呼吸ばかりで、周りから隔絶されてしまったような錯覚に陥る。
バディとしっかり手をつなぎ、インストラクターの指示にしたがって、私達は人生で初めてのスキューバ・ダイビングを体験していた。澄んだ海に泳ぐ、様々な魚を目にしながらの潜水は想像以上に楽しかった。
1回目の潜水から上がった私達は、一度島に戻りその後にもう一度海上講習を受けてこの日の講習を終えた。
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堆積によってできた岩が“縦”になったことを物語る、ウルルの側面。... 42日目より |
初めて尽くしのこの日は、菜津子の誕生日だった。ぱぁーっとお祝いでもしたいところだったが、何といっても二人ともクタクタに疲れていた。どれ位、といわれれば、せっかく日本からお祝いの電話をかけてくれた家族に、満足な返事もできない程だったのだ。
クタクタではあったけれど、ひんやりとした水中で1日を過ごし、全身のかゆみを少し和らげる事のできた猛は、小さな幸せを感じていた。 |
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